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Sonatine07  11/26/2009  




Sonatine07
明けない夜








アスランは何かに気づいたようにすぐに後ろを向いてしまった。
一瞬しか見えなかったけれど確かにアスランは泣いていた。

どうして?
何があった?

大嫌いになったはずなのに激しく心が揺さぶられる。

昔は大きく感じた背中は遠く以前より小さく感じ、もう二度と届かないように遠く見えた。


その背中が急に振り返りどきりとする。


振り返った瞳にもう涙の影は見えなかったけれど……あれは見間違いなんかじゃない!


そうこうしている内にアスランが窓の下までやって来た。


「女王様、こんな時間まで如何なされましたか。早く眠りませんと明日の公務に支障がありますよ」
「お前こそこんな時間にこんな所で何してるんだ」
「もちろん見回りですよ。……それとも違う理由が必要ですか?」
「違う理由ってどんなんだよっ」
「……さあ……」

しばしの間、沈黙が辺りを支配する。

いつも見上げてばかりした。
追いかけてばかりいた。

それが今は見下ろしている。

軽蔑、してもいいはずだ。
憎んでもいい。
許すことなんて考えられない。

けれどこんな瞬間だけはすべてを飛び越えて幸せだった過去に戻れるような錯覚に陥る。



そんな事ある訳無いのに……



「……キラがさ…パトリックが変わったって―」

何でもいいからとにかく話をしようと話題を探す。
それで先日キラと話した事を思い出した。

しかしアスランは『キラ』という言葉に過剰に反応したように見えた。

「つっ!」

アスランの指が腕に沈む。
腕を掴まれ、強く引かれ、窓から落ちそうになり、慌てて反対の手で窓枠を押さえる。

「痛いっ!離せっ!!」
「キラが?どうしたって?随分と仲良くなったんだな」
「そんなんじゃ―」

伸びてくる手

大きな、古い傷だらけの手


後頭部を押さえられ唇が重ねられる。

思いやりだとか愛情の欠片も感じられない無理矢理押さえつけられるだけのキス。

自分の意思を完全に無視したアスランの行動に嫌悪を越えた哀しみすら感じ、咄嗟に進入しようとする舌を思い切り噛んだ。


「つ……」


途端口に広がる鉄の味。


「何でっ……何でこんな事っ!!」



無性に悲しくて
涙が溢れて
胸が苦しくて
心が痛い



「……こんな時間まで婚約者の事でも考えてたんじゃないのか?寂しいかと思って気を使ってやったんだ」
「そんな……っ…!」



返す言葉も出てこない

ただ哀しくて……




緩んだ手を振りほどき勢いに任せて窓を閉める。




「何でっ……何で―」




涙が次から次へと溢れ出て止まらない。








「何でなんて……俺にだって分からない……っ」



吐き出した唾に混じる濁った赤
胸に募るのは理由の分からない苛立ちと嫌悪感







夜はまだ明けない。








→08


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うん・・・
嫉妬するアスが書きたかったという・・www
腸相当煮えくり返っているのに気づかない。
次回はちょっと平和な話。
そして一気にラストまで勢いよく進めたいところです。


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