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Sonatine 05  11/15/2009  




孤独

という言葉を意識した






Sonatine 05
白い息









王の間に閉じ込められたも同然の日々。

気が付けばマーナを始め古くから王家に使えてくれていた者たちは皆、パトリックの息のかかった者ばかりに変えられていた。
どうしてそこまでする必要があるのか疑問に思うほど、パトリックは徹底的に王を孤立させていった。
そうまでしなくても既に国はパトリックの思うままだというのに…


「な…に…?」
「ええ、ですからアイルランドの皇太子との婚礼を進めていきます、と申し上げたのです」
「…それも議会で決まった事だというのか…?」
「そうです」
「…そうか」
「では失礼いたします」

パトリックが退出し、後に残ったのは静寂。

カガリ・ユラ・アスハ。
第29代国王。
小さな頃から父親である28代国王の傍で国を、政治を見てきた。

一人娘である立場上、いつかはこんな日がくるかもしれない、そうも思ってはいた。

けれどいざ現実となると……

「複雑なものだな……」

アイルランドといえば大西洋連邦であり、当然その背後にあるロゴス、ブルーコスモスの存在を考慮しての政略結婚なのだろう。
本来ならばスカンジナビア王国あたりが妥当であるはずが、まさか大西洋連邦とは……

この国は何処へ向かおうとしているのか。
国民の意思を無視し、ただひたすらパトリックの私利私欲のために動いていくのか。

私利私欲。

パトリックの欲、とは?



それからの日々は慌しく過ぎていった。
結婚へ向けてのドレスや調度品の注文。
そのためのドレスの試着や採寸などにはうんざりした。

自分が国王であるため、嫁に行くわけには行かない。
それでアイスランドの第二皇太子が言わば婿としてオーブに来ることとなった。

未だ見た事もない国の見たことのない皇太子。


6歳年上だというその皇太子と初めて顔を合わせたのは、クリスマスの近づいた12月の婚約の儀でだった。



「はじめまして。キラ・ヤマトです」
「はじめ……まして……カガリ・ユラ・アスハだ、じゃなくて、です……」

慌てて言葉尻を訂正する自分にキラは軽く微笑んだ。

一体どんな奴が来るかと意気込んでいたのに反し、現れたのは笑顔の温かい物腰も柔らかな青年だった。
明るい茶色の髪にアメジストの瞳が綺麗で、アスランと同い年のはずなのに、その笑顔のせいか僅か幼く見えた。


ゆっくり話をしてくるといい、という年寄りの意見に因り、12月の寒空の下、城内を二人で散歩することになった。

例年より寒いという今年の冬は、夜ともなると一段冷え込み、いまにも雪でも降ってくるのではないかというくらい寒く、白く濁る息を空に向けて吐いた。


「寒くない?」
「え?あ、うん」

キラは皇太子らしくない気取らない言葉で緊張を解いてくれた。
もしかしたら私はついているのかもしれない。
結婚相手を自分で選ぶことの出来ない自分にとって―――キラは申し分無い。

「寒そうだから僕の上着をかけてあげたいけど……いいかな?」
「え?」

その問いかけは自分の頭上を通り越して、暗い茂みの影に投げかけられた。

「出ておいでよ。……護衛さん?」

一見誰もいないように見える茂みから出てきたのはアスランで――



「アスラン……」


久しぶりにまっすぐ顔を見た気がする。


初恋、だった人。


大好き、だった人。


信じて、いた人。


すべて昔の話だけれど。







→06







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キラさま登場です。
そしてアスランとご対面。
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