流転 11 05/21/2009
〔注意〕
これは双子誕生記念話です。
が、暗くて悲しい話です。
特にアスランとカガリが不幸です。
キラカガ、アスメイ(というよりメイアス)、シンカガ要素ありありなのでご注意ください。
どんな話でも怒らない
という心の広い方のみでお願いいたします。
流 転 11 -過去 現在 未来-
プラントで俺を待っていたのは懐かしい面々だった。
空港には忙しいだろうにわざわざキラとラクスが迎えに来てくれていた。
「お久しぶりです、アスラン」
「はい、お久しぶりです、ラクス」
「元気だった?」
「ああ、お前も…キラ」
二人が以前と変わらない笑顔で接してくれたのが嬉しかった。
短い挨拶を交わすとすぐにアプリリウス市街に用意してもらった部屋へと向かった。
中に入ると思わぬ人物がいて酷く驚かされた。
「ディアッカ!イザーク!」
「貴様!それほど驚かなくともいいだろうが!」
「まあまあ、ラクス様が気を使って俺たちを寄越したんだ。久しぶりだな、アスラン」
「ラクスが…」
「ふん!ラクス様の気遣いに感謝しろ!」
昔と変わらぬ態度につい笑みが零れる。
まるでアカデミー時代にまで戻ったようで…
懐かしさと同時に今はもうどこにもいない大切な人たちの事をも思い出してしまう。
ここにはかつて嬉しさも喜びも悲しさも怒りもすべてがあった。
思い出の全てが良いものばかりではないがそれでも皆大切な宝物なのだと、今は素直にそう思える。
その夜は久しぶりに三人で飲みに行った。
昔は衝突することも多く、決して仲が良かったとは言いがたいが、それでも共有していたかつての時間がお互いの関係を滑らかにしていったのは間違いない。
どんなに苦い記憶でも、分かち合えるというのは有難い事だと思う。
そしてそれだけ皆大人になったという事なのだろう。
この場にアイツもいたら…
それは皆が言いたくて…決して言わない一言。
言う代わりにウィスキーの入ったグラスを軽く合わせる。
彼等の分まで今宵は飲み交わそう。
翌日からは慌しい毎日となった。
いつでもそうだが、新しい仕事というのは肉体以上に精神的に疲れるものだ。
何日かは酷く疲れて部屋に戻るなり倒れ込んで熟睡した。
今の自分には仕事が忙しいという事が何より有難かった。
しばらくは仕事以外何も考えたくない。
考えさせないで欲しかった。
それでもキラの顔を見ると彼女の事を思い出さずにはいられず、キラに会った後はしばらく気が酷く滅入った。
それでもそんな感傷は時とともに薄らぐだろうし、いつか綺麗な思い出として思い出せる日がくると思って…いや、そう願っていた。
だからそんな日が来るまでキラにも出来るだけ会いたくは無かった。
無かったのに…
「やあ、アスラン、新しい環境はどう?」
「キラ…ああ、悪くない」
「しかしオーブの誰かをこちらに…という話があったけど、こんな急に、しかも君が来るとは思わなかったよ」
「ああ」
「カガリはどうしてる?」
「…さあ…」
「さあ、って連絡とってないの?」
「ああ」
最後にカガリに会ったのはあの日、あの執務室。
カガリは見送りにも来なかった。
あの日から出発までの一週間、もしかしたら…という俺の淡い期待はあっさりと打ち砕かれた。
キラはカガリから何も聞いてないのだろうか?
「ふーん…まあいいや!僕明日からオーブに行って来るから」
「えっ!?」
「言っとくけど別に遊びに行くわけじゃないよ?ちゃんと仕事で行くんだから!」
「…何も言ってないぞ」
「あ、そう?カガリに伝言とかある?」
「別に」
「そう?」
キラが不審な目でこちらを見てくる。
これ以上カガリに良く似た目でこちらを見ないで欲しい。
-耐えられなくなる-
キラはそれ以上何も言わず、翌日オーブへと向かった。
キラとカガリは何を話すだろう?
AM11:00過ぎ
第一報が入った。
「臨時ニュースをお伝えします。5月18日プラント標準時間午前10時15分頃オーブ連合首長国首都オロファト、内閣府官邸にて大規模な爆発が起こった模様。繰り返します」
To be continued.
-------------------------
あともう少しで終わります・・
これは双子誕生記念話です。
が、暗くて悲しい話です。
特にアスランとカガリが不幸です。
キラカガ、アスメイ(というよりメイアス)、シンカガ要素ありありなのでご注意ください。
どんな話でも怒らない
という心の広い方のみでお願いいたします。
流 転 11 -過去 現在 未来-
プラントで俺を待っていたのは懐かしい面々だった。
空港には忙しいだろうにわざわざキラとラクスが迎えに来てくれていた。
「お久しぶりです、アスラン」
「はい、お久しぶりです、ラクス」
「元気だった?」
「ああ、お前も…キラ」
二人が以前と変わらない笑顔で接してくれたのが嬉しかった。
短い挨拶を交わすとすぐにアプリリウス市街に用意してもらった部屋へと向かった。
中に入ると思わぬ人物がいて酷く驚かされた。
「ディアッカ!イザーク!」
「貴様!それほど驚かなくともいいだろうが!」
「まあまあ、ラクス様が気を使って俺たちを寄越したんだ。久しぶりだな、アスラン」
「ラクスが…」
「ふん!ラクス様の気遣いに感謝しろ!」
昔と変わらぬ態度につい笑みが零れる。
まるでアカデミー時代にまで戻ったようで…
懐かしさと同時に今はもうどこにもいない大切な人たちの事をも思い出してしまう。
ここにはかつて嬉しさも喜びも悲しさも怒りもすべてがあった。
思い出の全てが良いものばかりではないがそれでも皆大切な宝物なのだと、今は素直にそう思える。
その夜は久しぶりに三人で飲みに行った。
昔は衝突することも多く、決して仲が良かったとは言いがたいが、それでも共有していたかつての時間がお互いの関係を滑らかにしていったのは間違いない。
どんなに苦い記憶でも、分かち合えるというのは有難い事だと思う。
そしてそれだけ皆大人になったという事なのだろう。
この場にアイツもいたら…
それは皆が言いたくて…決して言わない一言。
言う代わりにウィスキーの入ったグラスを軽く合わせる。
彼等の分まで今宵は飲み交わそう。
翌日からは慌しい毎日となった。
いつでもそうだが、新しい仕事というのは肉体以上に精神的に疲れるものだ。
何日かは酷く疲れて部屋に戻るなり倒れ込んで熟睡した。
今の自分には仕事が忙しいという事が何より有難かった。
しばらくは仕事以外何も考えたくない。
考えさせないで欲しかった。
それでもキラの顔を見ると彼女の事を思い出さずにはいられず、キラに会った後はしばらく気が酷く滅入った。
それでもそんな感傷は時とともに薄らぐだろうし、いつか綺麗な思い出として思い出せる日がくると思って…いや、そう願っていた。
だからそんな日が来るまでキラにも出来るだけ会いたくは無かった。
無かったのに…
「やあ、アスラン、新しい環境はどう?」
「キラ…ああ、悪くない」
「しかしオーブの誰かをこちらに…という話があったけど、こんな急に、しかも君が来るとは思わなかったよ」
「ああ」
「カガリはどうしてる?」
「…さあ…」
「さあ、って連絡とってないの?」
「ああ」
最後にカガリに会ったのはあの日、あの執務室。
カガリは見送りにも来なかった。
あの日から出発までの一週間、もしかしたら…という俺の淡い期待はあっさりと打ち砕かれた。
キラはカガリから何も聞いてないのだろうか?
「ふーん…まあいいや!僕明日からオーブに行って来るから」
「えっ!?」
「言っとくけど別に遊びに行くわけじゃないよ?ちゃんと仕事で行くんだから!」
「…何も言ってないぞ」
「あ、そう?カガリに伝言とかある?」
「別に」
「そう?」
キラが不審な目でこちらを見てくる。
これ以上カガリに良く似た目でこちらを見ないで欲しい。
-耐えられなくなる-
キラはそれ以上何も言わず、翌日オーブへと向かった。
キラとカガリは何を話すだろう?
AM11:00過ぎ
第一報が入った。
「臨時ニュースをお伝えします。5月18日プラント標準時間午前10時15分頃オーブ連合首長国首都オロファト、内閣府官邸にて大規模な爆発が起こった模様。繰り返します」
To be continued.
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あともう少しで終わります・・
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