2017 08 / 07 last month≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫09 next month
スポンサーサイト  --/--/--  
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 | スポンサー広告  | Page Top↑
流転 7  05/15/2009  
〔注意〕
これは双子誕生記念話です。
が、暗くて悲しい話です。
特にアスランとカガリが不幸です。
キラカガ、アスメイ(というよりメイアス)、シンカガ要素ありありなのでご注意ください。
メの字アレルギーの方は特にご注意ください。

どんな話でも怒らない

という心の広い方のみでお願いいたします。





あの日、全てを失ったあの日から我武者羅に生きてきた。
力で捻じ伏せられた自分を絶望の中から救ってくれたのは『力』だった。


力を手に入れて-憎むもの全てを滅ぼしてしまえばいいと思っていた。
もう2度と何も失いはしない。
俺は全てを手に入れるんだ。


そう思っていた。




流 転    7 -シン-




あんなに憎んだあの国に今帰って来ている事が不思議だった。
そして目の前に大嫌いだったあの女がいるというのに腹が立たない事も不思議だった。

偶々通りかかったその扉の向こうでその人は何かを探しているようだった。
扉が少し開いていたから気がついた、正直に言えばそれだけではない。
俺はその部屋がその人の部屋だと知っていた。
そしてその前を通るたびに意識せざるを得なかった。

カガリ・ユラ・アスハ。

このオーブ連合首長国代表首長。
俺の家族を焼いた人の娘。


「…何してるんですか?」
「あっ!シン!」

さっきからずっと机の影からお尻だけが見え隠れしている。
おまけに小さな声で『困った』とか『どうしよう』とか喋ってるのを聞いてしまったら話しかけないわけにはいかないだろう。
いや、以前の自分だったら完全無視していただろうけど…

「何探してるんですか」
「あ…うん…小さなものなんだけど…」
「だから何ですか」

どうしてだろう。
別にもう嫌いだと思っているわけでは無いはずなのに何だかイラつく。
それは多分以前俺がこの人に酷いことを言ったから。
この人は俺に苦手意識と…負い目を感じているんだろう。
だからこんな風に一歩退いた態度をとるんだ。

いつかちゃんと話をしよう、そう思いながら俺はあれ以来この人とちゃんと話をした事が無い。
普段TVなどで見る堂々とした態度とは全く違う怯えたような態度が、思うだけで行動に移せない自分への苛立ちと相重なって益々不愉快にさせる。

「一緒に探すって言ってるんですよ!早く言って下さい!」
「う…、うん…その…赤い石が付いた指輪なんだ…」

俯いて顔はほとんど見えないからどんな表情かは分からないが、恥ずかしそうな事だけはよく分かった。
それで探している指輪が誰からのプレゼントで、それをこの人がどんなに大事にしているかまで分かってしまった。

ムカムカしてくる。

どうしてだ?

「…大事なものなら落とさないようにしまっておいたらどうですか?」
「あ、うん、普段はそうしてるんだけど引き出しから書類を出すときに引っ掛けちゃって…」

二人して床を四つん這いになりながらうろうろしている姿は傍から見れば酷く滑稽だろう。
チェストと床の隙間に手を差し込めば冷たい何かが触れた。
あの人に気づかれないようにそっと引き出してみれば銀色のリングに赤い石が填め込まれている。これがその探している指輪なのだろう。
見つけたのだからすぐに渡してやればいい。
そう思うのに体が動かない。

無意識に指輪をポケットに仕舞い込むと立ち上がった。

「無いですね」
「うん…」

尚も床から視線を外さない態度に苛立つ。

「そんなに大事な指輪なんですか?」
「え?えっと…その…」

はっきりしない態度に更に苛立つ。

「あの人にもらったんですか?」
「!」

驚き見開いた瞳がこちらを向いた。
こんなに近くで…真正面から向かい合ったのはもしかしたら初めてかもしれない。
硝子のビー玉みたいだと思った。

澄んだ瞳の中に金色が揺らめく。
素直に綺麗だと思った。

「アンタも代表とか言っても気楽な事ですね!色事だけじゃなく政治もちゃんとして欲しいものですよ!」
「違っ…」
「何が違うんですか?」

苛立ちの正体はこれか?
この人は自分を捨ててただこの国のためにひたすら身を捧げなければならない。
そうしないと俺は不満なのか?
あの人とこの人が見つめあう、そんな想像をするだけでムカムカする。
二人とも仕事だけしていればいいんだ!

「そういえばあの人もいい身分ですよね!」
「何の話だ?」
「この間の朝早くメイリンの部屋から出てくるのを見ましたよ!泊まったみたいでしたね!アスランさんも二股なんて器用なことが出来る人だとは思ってもいませんでしたよ!」

目の前で顔色が変わっていくのがよく分かった。
ちょっといい気分だ。
本当はこの事をこの人に教えるつもりじゃなかったけれど、走り出したモノは簡単には止まらない。

「まあ3ヶ月間だけのお遊びかもしれないですけど…、もしかしたら浮気じゃなくて本気かもしれないですよね!」
「…アイツは…」
「はい?」
「アイツは遊びで誰かと付き合うような奴じゃない…」
「じゃあどういう事ですか!」

こんな事を言われても尚アスランを信じている様子に腹が立った。

「…それが本当なら…本気でメイリンの事が好きなんだろう」
「は!?じゃあアンタはっ-」
「私達はもう終わっているんだ」
「え!?」
「きっとそういう事なのだろう」



指輪を探すのを諦めたのか静かにデスクチェアに座ると、俺の顔を見て穏やかに微笑んだ。



「シン、一緒に探してくれてありがとう」



そんな風に笑って欲しかったわけじゃない。
俺はただもっと違う笑顔が見たかっただけなのに…

「くそっ!」

部屋から出てどこへという事も無く走った。
ただひたすら呼吸が出来なくなるまで走り続けた。

俺は俺自身に吐き気がした。







To be continued.
-------------------------
んー・・・・
何というか・・・・・
更なるすれ違いへと続く・・・・(・・・
 | 流転(双子誕生祝)  | Page Top↑

アスカガ溺愛!

オエビ・絵茶室など

リンク

メールフォーム

鯉と金魚にエサをあげられるブログパーツ

INDEX

告知

OTHER

↓入隊しました!

ブログ内検索

RSSフィード