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前回注釈付けたかな?

※この話はあまり幸せな話ではありません。
不幸かどうかは微妙な気もしますが・・素直にハッピーエンドとはいえない話です。
それでもよろしければどうぞ。








あんなに美味しそうな兎なのに

食べればもう少しだけこの世に留まっていられるかもしれないのに

今日もまた逃がしてしまった

でも多分それでいいんだ

あの兎を食べてまで生きて何になるというのだろう?

それに…もう無駄かもしれない



PICK STAR <手のひらの星> 3

それからも毎日毎日兎は薬と換えの包帯と人参を手にやってきた。
そんなにたくさんは食べきれないと言って一日1本にしてもらうと兎は「そんなに大きな体なのに意外と小食なんだな」と言って笑った。
本当は何も食べていない。
すべて土の中にうめてある。
それでも今日も嬉しそうに人参を持ってきてくれる兎に「食べられない」とはどうしても言えなかった。
薄暗い洞穴の中の湿気が悪いのか兎の看病の甲斐も無く傷は中々良くはならなかった。
傷と共に狼の体もまた目に見えて弱っていった。
そして精神力ももう限界を迎えていた。
このままでは無意識に兎を食べてしまう。


傷口はじゅくじゅくとして腐りかけているようにも見えたが、それより辛いのは空腹で、本当は足に力を入れるだけでも辛かったのだけれど何とか夜の森へと出かけていく。
夜中に静かに寝ている鳥を狙うくらいなら何とかうまくいった。
ゆっくりと静かに慎重に近付く。
月の光で羽根が青く輝いている。
失敗は出来ない。
今の自分の足では例え傷ついた鳥でも追いかける事など不可能だ。
ゆっくりとゆっくりと…確実に。
突然降ってきた衝撃に遮二無二暴れるのを一気に喉の奥に押し流す。
青い羽根があたりに散らばり、生きていくことの残酷さを見せ付ける。
そしてその羽根の下には小さな巣と雛が2匹。
親がいなくてはこの雛たちもこのまま死んでいくだけだ
それならばいっその事俺の中で俺の血肉になれ。


恨むなら俺を恨め
こんな罪を犯し、深い業に
それでも食べずには生きていけない
俺だって
好きで狼に生まれて来たわけじゃない


相変わらず傷は良くならず、兎は毎日やって来た。

「なあ…どうして良くならないんだろう…」
「…ここの空気のせいかもな…」
「ならもっと広い陽の当たる場所にいったらどうだ?原っぱには花もたくさん咲いているし気持ちがいいぞ!」

嬉しそうに太陽にも似た色の瞳をキラキラと輝かせている兎には申し訳ないが、とてもではないが歩く気にはなれなかった。

「…傷ついたまま外に出るのは正直怖いんだ…」

それは嘘じゃない。
この世界は弱ったら負けだ。
弱いものは強いものの血肉となる。
何も遮るものの無い、隠れる事の出来ない原っぱなど、恐怖以外の何物でもない。

兎は何も悪いことをしていないのに、一向に良くならないどころか悪くなっていく傷を見るたびにまるで自分が悪いかのような表情を見せた。
傷が良くならない事に心を痛めている、けれどそれを口にしない兎を見ているのは辛かった。
自分のためではなく、この兎のために傷が早く良くなってくれることを祈った。






To be continued.
続きはこちら☆
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