2017 06 / 05 last month≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫07 next month
スポンサーサイト  --/--/--  
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 | スポンサー広告  | Page Top↑
ドリームマッチ☆04  10/25/2009  


「……あ、じゃあさっき通ったカラオケ屋さんにでも?」
「……気持ち悪い……」
「えーっ!!ちょ、ちょっと!先生っ!!」

そういいながら、半ば倒れこむように駆け込んだのはシンプルな外装のホテルで、フロントにも寄らず真っ直ぐエレベーターに向かった。

「ごめん…上着の内ポケットから鍵出して開けてくれないかな」



内ポケットって!!


上着に手を差し込むとシャツの下の体温をすぐそこに感じる。

内心発狂しそうになりながらもどうにか鍵を取り出しドアを開ける。

するとそこには小さくて殺風景だけど僅かに人が生活している気配のある部屋があった。

「先生トイレっ!」

慌ててトイレに先生を押し込むとコップを探し水を汲む。
他に出来ることはないかと辺りを見渡し、タオルを濡らして持っていった。

先生は倒れこむようにベッドに横になった。

「アスハ、すまない…少し休んだら送っていくから…」

そういい残し、私の手を握ったまま眠ってしまった。


振りほどこうと思えばすぐに出来るけど

帰ろうと思えばすぐに帰れるけど


それも何だか勿体無いような気がしてもう少しだけ、もう少しだけと心で呟きながら先生の寝顔を見ていた。





それが昨日の事。





先生の顔を見ながらつい寝入ってしまった私は気がついたらベッドに寝ていて……先生のおはようで目が覚めた。


「昨日は本当に悪かったな、おかげで風邪も良くなったみたいだ」
「…ん……え!?私寝ちゃって―!!」
「本当に悪かったよ、でもちゃんと責任は取るから」
「は!?責任!?」
「結婚しよう」
「は!?」
「お父さんに挨拶に行くのはいつがいい?」
「はあっ!?」
「神前と仏前どちらがいいかなあ…でも人前でもいいかもな」



先生が何を言っているのかよく分からない。



「それって……」
「ああ、言い忘れてた、好きなんだ。付き合って欲しい」



嗚呼神様!!!



昨日までとは全く違う先生。




でもそんな先生も嫌いじゃない…かも…



スポンサーサイト
 | 短編  | Page Top↑
ドリームマッチ☆03  10/24/2009  
かりかり




図書室に小さく響く鉛筆の音と声。

時折珍しいものを見るかのように通り過ぎていく生徒の視線が妙に気になる。

それもそうだろう。

ザラ先生が特定の生徒と一緒にいたり会話しているところなんて滅多に見られないのだから。

フレイが用意していた問題集の難問はあっと言う間に複雑に絡まった糸が解けていくようにするりと解かれていった。

さすがは教師、といったところだろうが、その鮮やかで分かりやすい解説にため息が出る。

それでも思った以上に時間がかかり、帰り支度を整えると外はすっかり夜の帳に包まれていた。


「先生、今日はありがとうございました!」
「役に立てたのなら良かった」
「先生って……もっと無愛想かと思ってました」
「なっ…アルスター酷いな」
「ごめんなさい。でもみんなそう思ってますよ、きっと」

フレイと先生のやりとりをぼんやり眺めながらどうにも入っていけない自分はただ静かに下駄箱へと向かっていった。
だからフレイが急にさよならを言って駆け出してもいまいち状況が理解出来ずにいた。

「じゃあ行こうか」

そう言ったのは隣にいる先生で……



え?

行こうって??



「えーー!!!???」
「嫌だったか?」
「いやっ!全然っ!!」

一体何の話!?

よく分からないけど喜んでいい状況??

「フ…フレイは…?」
「聞いてなかったのか?彼氏が迎えに来てくれた、って言って帰っていったぞ」
「あ…そうだったか…」

フレイの彼のサイは心配性で、今日に限らず少しでもフレイが遅くなるものならすぐに迎えに来る。
私はそんなフレイが少しだけ羨ましくもある。

「アスハの家はどこらへんなんだ?」
「大府町だ」
「遅くなったから親御さんも心配しているだろう。連絡とかいいのか?」
「今週は父が出張でいないから私一人なんだ。だから大丈夫」
「そうか…じゃあ、夕ご飯でも食べに行かないか?」
「え!?は、はいっ!」

これはもしかして夢なんだろうか?
それとも普段からポイ捨てしたり遅刻しないで頑張ってる私への神様からのプレゼントなのかっ?

先生が連れて行ってくれたのは小さなラーメン屋さんで、とんこつと餃子のいい匂いが辺りに充満していた。

「……美味いっ」
「それは良かった」

先生が嬉しそうに微笑みながらこちらをみているのを感じ、頬が熱くなる。
幸いにも熱いラーメンがそんな事を隠してくれたけれど……

先生はちょっと失礼、と言うとビールを注文した。

そんな事一つ一つが先生がやっぱり大人で、自分とは違うんだと認識させられるような気がして……
でもどこかでそんな先生も格好良く思えてしまう。



全く自分はどうかしている―



店を出ると先生の顔はアルコールの影響かほんのり赤くなっていた。




そんな先生も可愛い……



けれど先生の足元が少しふらついているような……



「先生、大丈夫か?」
「あ…あ…、昨日から少し風邪気味で、いつもより酔いやすいみたいだ」
「風邪っ!それなら早く帰らないとっ!」
「でも君を送っていかないと…」
「私なら一人で帰れるからっ!」

ふらつく先生の体を支えると仄かにビールの苦い匂いがした。



瞬間、強く抱きしめられて―



「少し、一緒に休んでいかないか…?」





神様!!これはプレゼントなのですか?どうなのですか!?

 | 短編  | Page Top↑
ドリームマッチ☆02  10/22/2009  
だってどうしても分からないところがあるんだもの!』と強引に押し切られ、仕方なく理科準備室の扉の前に立った。

それだけで胸がどきどきして、手まで震えてくる。

なかなか決心がつかず、ノックするために手を上げては下ろしの繰り返しだ。

そもそもどうしてこんな事態になったのか。
そう思案していたから目の前の扉が開いたのに気がつくのが遅れた。

「何か用か?」
「あ……」

急に目に飛び込んできた眼鏡の奥のみどりの瞳。
こんな色のガラス瓶のジュースがあったような…と記憶を探る。
魅入られたように体が動かない。
そしてその呪縛は優しく解かれた。

「用なら入るか?」

先生の声はいつも穏やかだ。
穏やかに心に染みてくる。

始めに気になったのはその声。
次に目、そして背中。

誰かを見続けたい、誰かに見て欲しい、そして触れたい。
そんな感情が自分の中にあるという事を初めて知った。

促されて入った理科準備室には様々な実験道具が太陽の陽を反射していた。

「で、何だ?」
「あ、あのっ!実は物理でよく分からないところがあって教えてもらえたら有難いんだがっ」
「授業で分からないところが…?」

緊張を紛らわせようとフレイから言われた事を早口でまくし立てる。

「いやっ!受験用の問題集なんですけど、無理ならいいんだ。自分たちでもう少しやってみるからっ」
「……いつ?」
「やっぱり無理だよな!そうだよな!……え!?」
「いいよ、いつ見ようか」
「出来れば今日の放課後……」
「分かった。じゃあ4時に図書室でいいかな?」
「は…い…」

絶対に断られると思っていただけに拍子抜けして理科準備室を後にした。


きーんこーん…


教室に戻ると同時に昼休みの終了を知らせる鐘の音がなった。




 | 短編  | Page Top↑
突発短編  10/21/2009  
私、未だ青い高校生。
彼、社会人。しかも教師。

越えられそうな気が全くしない分厚い壁がそこには存在する。



ドリームマッチ☆01



「おはようっ!」

校庭にばしん、と音が響く。

「あ、ああ、おはよう、アスハ」

先生の朝はいつもぼんやりしている感じがする。
落ち気味の肩をしゃっきりするように、そう思いながら私は毎朝先生の背中を叩く。

それは口実、かもしれない。
本当は叩く、その僅かな時間でも、少しでも触れたいだけ。

本当はもっと触れたい。
でもどうしたらいいのか分からない。

そしてこんなただ叩くだけの行為にすら勇気が必要で、毎朝緊張で押しつぶされそうな胸はこれ以上の事になんて到底耐えられそうにない。


どきどき


胸を押さえながら、先生の背中を見続ける事すら耐えられず、追い越し、走って教室へと駆け込む。



「おはようっ!」
「まーたカガリったら走ってきたの?髪ぐちゃぐちゃ!」
「えっ!?本当に?」

慌てて手櫛で髪を押さえ付ける。
けれど強情な髪はなかなか言う事を聞いてはくれず、見るにみかねたフレイがカバンからワックスを取り出しどうにか直してくれた。

「でもカガリがこんな風に髪を気にするなんてどうしたの?」
「え!?あ、へ、変か?」
「今までどんなに言っても気にしなかったじゃない。……恋でもした?」
「へっ!?」

フレイの青い目が何でもお見通し、といったようにこちらを覗き込む。
心のうちをすべて見透かされているような気がして……頬に熱が集まる。

静まれ!私の胸!

「そんな事ないか!カガリだもんね!」
「そ……そうだぞっ」

思わず上ずってしまった声の拍子にフレイが気がつかないはずがない。
けれどそれ以上何も言わないし突っ込まない。

フレイはいつもそうだ。
私が話を聞いて欲しい時は話しかけなくても話しかけてくるし、嫌な時はそっとしておいてくれる。
だからフレイは格好いいし、素敵だ。
そんな彼女が私は大好きだ!

「ところで―」
「何だ?」
「ザラ先生なんだけど」
「!!」

前言撤回!
そっとしておいてくれない時もある!

「カガリ、仲良いわよね?」
「そ、そんな事ないぞっ」
「そう?去年の理科委員からよく話してたじゃない?」
「そっ……それは必要がある時だけ……っ」
「カガリ、去年から理科だけは成績すっごく伸びたじゃない?」
「そんな事ないって!えっと……英語だって伸びたぞ?」
「とにかく!あんな陰気そうな先生が誰かと楽しそうに話してるのってカガリ以外見たことないもの!」
「え……先生、私と楽しそうに話してたか……?」
「ええ、いつも『ああ』とか『そう』とかしか言わない先生が普通に会話してたもの」

それって『楽しそう』って言うのか……?

「だからカガリにお願いがあるの」

フレイが綺麗に微笑む。

私は知ってる。
これは良くない事が起きる前兆だということを―



「ザラ先生に放課後物理を教えて欲しいって言ってきて」

 | 短編  | Page Top↑

アスカガ溺愛!

オエビ・絵茶室など

リンク

メールフォーム

鯉と金魚にエサをあげられるブログパーツ

INDEX

告知

OTHER

↓入隊しました!

ブログ内検索

RSSフィード